ブロムバーグの言葉
オールドデビルタイムに“いい音”ってことを書いてましたが、ギターの“いい音”ってどういうのかっていうことなんですよ。
ギターの“音”はボディーによって決まってしまう部分が大半なんですが、弦の選択によって変える事が出来る部分もありますね。
で、一般的に、弦は新品に張り替えたときにいい音を発するのだということになってます。
前の記事で出したギルドや、マーチン、ギブソンというようなギターはスチール弦を使用しますが、スチール弦の音は張ってからの経過によって三段階に分けられると思うんですよ。
第一期 新品を張った直後から3日間くらいは(4弦あたりで)「ビィーン」というブリリアントな鳴りがします。
第二期 4・5日すると若干音がくもってきて「ブィーン」と鳴ります。これが2週間くらいですね。
第三期 一ヶ月もすると「ボォーン」というコモった音になってしまい、これ以上変化することはありません。
このような音の変化は弦の表面が錆びてくるからだと聞いたことがあるんですが、どうなんでしょうね、確かに弦表面の輝きが落ちるので薄い錆で覆われるているのでしょうけど、それだけが原因なんでしょうかなぁ。これ、子供のころからの疑問なんですけどね。
でね、私にとっての弦の“いい音”っていうのは第一期じゃなくて第二期から第三期に入る中間くらいだと思っているんですよ。つまり、ブリリアントさが少しずつ無くなってきて、それでもまだ指(やピック)の引っ掛け具合で「ビィーン」と鳴らせるという、“渋さ知ってる”な状態ですよ。この段階の音が好きなんですけども、ただこの“いい音”は、マーチン弦で一番安い80/20 Bronzeの場合なんかだと5日間くらいしか続きません。その後は一気に落ちてしまいます。
この、ブリリアントでなくなった頃の音を好むのは私だけではないと思われ、ブルーグラスの超絶ギタリストであるトニー・ライスもそうなのではないかと思うんですよ。彼の録音では「いかにも」な感じのブリリアントさは無くて、どうも新品を張ってからしばらく弾きこんだ状態で録音してると感じられますしね。
どんな楽器でもそうなんでしょうけども、自分の理想とする音を発する楽器を手に入れられることっていうのはまず無いんでしょう。前の記事で出していたギルドF-20も、質の高い音ではあるんですけど私が欲しい音ではありませんでした。でも、あれを入手したころにデビッド・ブロムバーグ(David Bromberg)のインタビューを読んで、あーそうなのかなぁ・・と思ったんですよ。
「あなたの持っているギターから思うような音が出せないことはよくあることだ。しかし、その、思うように鳴らないギターが新しい音楽を教えてくれることがあるんだよ。」
確かに、最近録音して「ピッチ1」に出しているような曲は、あのギルドの音があったからこそ、なのかもしれませんしね。
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