みかんの虎馬
前回に続いて三上寛ライブの話ですけどね。
5月3日憲法記念日・京都・拾得です。開演午後7時のちょっと前に店内に入って“あらっ”と思ったんです。子供連れがいるんですよ。おとうさんが男の子を連れて来てます。幼稚園の年長組か小学校1年か、っていうくらいの子です。そしておばあちゃんも一緒です。
いやぁ、これねぇ、三上寛のライブですよ。
おとうさん、ぼっちゃん、おばあちゃんで楽しく聴ける歌の会じゃないと思うのよ。
オレは、他人事ながら激しく心配になってきたわけですよ。
で、開演は遅れることなく、寛さんはいきなりガシャーンとエレアコを引っかいて唄い出しました。
♪たくさんの人がぁ 飛び込んで死んだというぅー 険しい岸壁の下にはぁ~
船の形をしたぁー 水晶が突き刺さっているっ♪
いきなりすんごい歌『虹』でありますよ。
父・子・祖母の御一家は私の右斜め前方の桟敷席にいます。気になります。
♪私は夕日をっ あ゛がぅっっっっーっ♪
♪私は夕日とっ あ゛がぅっっっっーっ♪
このね「あ゛がぅっっっっーっ」は吠えているんですけど、文字で表記できないような、ほとんどサウンドエフェクトのような、とても人間の声とは思えないような音響が店内にこだまするのですよ。だはぁ、心配だぁ、私は御一家を見ました。ったら、もうね、男の子はお父さんにしがみついてます。おばあちゃんは“あらぁ~”って顔で呆れてます。
そして、
御一家は一曲目の途中で店を出てゆきました。コーヒーハウス拾得のおねえさんは気の毒そうな顔で御一家に付き添って出口まで導きました。
秋田県に「ナマハゲ」っていう行事があるじゃないですか。山から鬼が下りてきて
「泣ぐ子はいねぇかぁ~、悪りぃ子はいねぇかぁ~」
って子供を脅してまわるっていうアレですね。
ナマハゲはねぇ、お面を付けているから、子供でもある程度の歳になっていたら、あれは人間のお芝居だというのがわかりますからそんなに怖くはないらしいんですけど、三上寛はお面を付けていません。それに一見したところでは商店街の魚屋のおっちゃんみたいですもんね。その、お面をつけてない、魚屋のおっちゃんがいきなり
「あ゛がぅっっっっーっ」
ですからね、ある意味、ナマハゲより怖いじゃないですか。
たぶん、あの子は今夜、怖い夢を見るだろうなぁと思いながら、
私は子供をっ あ゛がぅっっっっーっ、と見送ったのでした。
トラウマにならなければいいけどねぇ・・・。
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